面白いけど腹がたつってあるよね

急に思い出しました。
いつぞや駅に向かう道すがら、
前を歩く学生のようないでたちのヒト。
制服らしきものを着ているし、
かばんもそれっぽいのを持って歩いているんだけど、
どうにも後ろ姿がおやじくさい。
まぁ、それはそれとして。
駅に行くまでに何個か小さい路地がある。
通常車が通ることもまれな、そんな路地だ。
彼はそのたびに立ち止まり、
曲がり角を覗き込む。
そうしてたっぷり安全を確認して、
また歩き出すのだ。
最初はちょっと笑えた。
でも私が歩くにつれ、彼との距離が縮まってゆく。
立ち止まる彼に、おおっと
とぶつかりそうになる。
その寸前で彼は歩き出す。
しかもばかみたいに速いの。
私は次の路地で安全確認する彼に追いつくのだけど、
おおっと、となる直前で彼はつんのめるように歩き出す。
だんだん腹がたってきて、
何がなんでも抜いてやる!
と意気込んだけれど、とうとう駅に着いてしまった。
朝からすごくムカムカした。
でも、電車に乗って彼のことを思い出すと、
笑いを堪える自分がいるんだよね。